インドネシアでは、何度訪れても目を楽しませてくれる文化的なパフォーマンスから目が離せません。この大変な時期の中でもインドネシアの文化シーンを楽しむには、家で見て、聞いて、学ぶのが一番です。伝統的なインドネシアの舞踊はそれぞれが異なる特徴を持ち、各民族のユニークな哲学を反映しています。複雑そうに見えても、自宅で簡単に学ぶことができる伝統的なダンスが 6 つあります。これらのインドネシアの伝統的なダンスを見て、家の中で新しい趣味や活動に挑戦してみませんか? Experience Indonesia in 360
1 | サマン・ダンス(アチェ)
アチェ州のガヨと呼ばれる高原で生まれたサマン・ダンスはインドネシアで最も有名な伝統舞踊のひとつです。サマン・ダンスには、知恵、信仰、マナー、ヒロイズム、一体感など、アチェの人々の価値観、原則、哲学が込められています。サマン・ダンスはもともと預言者ムハンマドの生誕を祝うなど、アチェ・コミュニティの重要な行事を祝うために踊られていました。
サマン・ダンスは、手拍子と肩叩きの2つの基本動作でボディパーカッションを鳴らし、それがシンクロして音楽を奏でると同時に見た目にも魅力的なダンスです。2011年11月24日、第6回政府間委員会において、サマン・ダンスが人類の無形文化遺産に指定されました。
こちらのYouTube動画では、サマン・ダンスを見ることができ、アチェの文化の素晴らしさを実感することができます。
2|トルトル・ダンス(サモシール)
トルトル・ダンスは、北タパヌリ、フンバン・ハスンドゥタン、トバ・サモシールの各地域からなる北スマトラ州発祥の古代伝統舞踊です。この踊りは通常、死の儀式や癒しなどの儀式で行われました。歴史によれば、トルトル・ダンスは祖先を象徴する石像に呼び出され「呼び起こされた」精霊に関連する儀式の一部でした。
トルトル・ダンスには3つのタイプがあります。1つ目はトルトル・パングラソン(掃除の踊り)で、通常は大きなパーティーで踊られます。2つ目は王の就任式で踊られるトルトル・シピトゥ・チャワン(7つのボウルの踊り)で、プスク・ブヒット山の頂上にある湖で水浴びをする7人の天女の物語を描いています。最後はトルトル・トゥンガル・パナルアンです。これは通常、災害が村を襲ったときに行われる文化的な儀式の踊りです。
トルトル・ダンスの動きは、ダンスに合わせて演奏される伝統音楽マルゴンダンの流れに沿っています。トルトル・ダンスは、もはや宗教的な儀式とは関係ありません。現在では、結婚式や来訪者の歓迎式典など時折行われるイベントで踊られています。
インドネシアを見てみましょう。トバ湖とその周辺の美しさを紹介したYouTube動画をご覧ください。そして、トルトル・ダンスをご覧ください。.
3 | スリンピ・ダンス(ジョグジャカルタ)
スリンピは12世紀にさかのぼる伝統的なインドネシアの舞踊です。ジョグジャカルタの王宮を起源とし、スラカルタのハディニングラート宮殿の指導者であるパクブウォノ4世が発展させたものです。
スリンピという名前は、王様の代わりの候補者という意味の現地語「Srimpi Sangopati」に由来しています。スリンピのダンスパフォーマンスは、ジャワ島の伝統音楽であるガムラン音楽に合わせて行われます。
スリンピ・ダンスのステップは、神秘的な雰囲気を漂わせる穏やかな動きで構成されています。この古典的なダンスは、多くても4~5人の女性で踊られます。しかし、2人、6人、8人で踊ることも可能です。スリンピ・ダンスは、ガムラン音楽に合わせた柔らかくゆっくりとした動き、高度に洗練された手の位置、優雅な姿勢で構成され、謙虚さ、上品さ、美しさを表現しています。TravelのYouTubeチャンネルでは、スリンピ・ダンスのパフォーマンスをご紹介しています。
4 |ケチャ(バリ島)
「ラーマーヤナ・ モンキー・ チャント」として国際的に知られているケチャ・ダンスは、バリ島の寺院や村で主に男性によって行われるバリ・ヒンドゥー・ ダンスの一種であり、ミュージカル演劇です。1930年代にインドネシアのバリ島で開発されたこのダンスは、腰にチェック柄の服を着た150人ものダンサーが輪になって手や腕を動かしながら「チャッ」と打楽器のように唱えるのが一般的で、インドネシアで最も壮観な伝統芸能の一つとされています。
このダンスのユニークな点は、人工的な背景や舞台を使わず楽器も使わないことです。日没時に屋外で、通常は海に面した崖の上で踊る必要があります。なぜならパフォーマンスはすべて日中の自然光に依存しているためです。太陽が沈むにつれ、オレンジ色の空が時間とともに暗くなっていく中で物語が進行していきます。この踊りはラーマーヤナに登場する戦いを描いたもので、ハヌマーンに率いられたヴァナラスと呼ばれる猿のような戦士たちがラーマ王子を助けて悪の王ラーヴァナと戦う場面です。
ケチャ・ダンスの多くの要素は、サンヒャンと呼ばれるバリの古代儀式からヒントを得ています。サンヒャンとは踊り手がトランス状態になって悪霊を追い払う悪魔祓いのことです。1930年にバリのダンサー、ワヤン・リンバックがドイツ人画家のウォルター・シュピースと協力して、叙事詩ラーマーヤナを取り入れたサンヒャンのドラマチックなパフォーマンスを作ったのが、ケチャ・ダンスの始まりと言われています。ケチャ・ダンスのパフォーマンスは、GWK、ウルワツ寺院、バトゥブランなど、バリの多くの観光地で見ることができますが、Indonesia.Travelの公式サイトにある360°ビデオでも、この光景を楽しむことができます。
5 | チャチ・ダンス(フローレス)
東ヌサ・トゥンガラ州フローレス島の最も有名な伝統芸術の一つであるチャチ・ダンスは、2人の男性が鞭と盾を使って互いに戦う伝統的な踊りです。この踊りは、収穫期のお祝い(ハング・ウォジャ)、新年の儀式(プンティ)、その他の伝統的な儀式など、様々なイベントで行われます。踊り手は通常、マンガライの伝統的な戦士の衣装を身につけています。この衣装には、頭を覆うもの(ベース)と下半身に衣服があり、上半身は裸のままです。
チャチ・ダンスは、東ヌサ・トゥンガラのマンガライコ・ミュニティに由来しています。マンガライコ・ミュニティでは、男性が一対一で戦い、その勇気と知恵を試すという伝統がありました。この伝統は、その後芸術へと発展し、ダンスや歌、そしてスペクタクルを盛り上げるための音楽を伴うようになりました。チャチ・ダンスという名前は、1を意味する「Ca」とテストを意味する「Ci」という言葉に由来しています。したがって、Caciは1対1で機敏さを試すものと解釈できます。
一見、暴力的な要素が含まれているように見えますが、この伝統的なダンスの核となるメッセージはすべて平和であり、スポーツマンシップ、相互尊重、恨みを持たない問題解決の精神が本質的に表現されています。Indonesia.Travel の公式 YouTube チャンネルで、このチャチ・ダンスの パフォーマンスのビデオをご覧いただけます。
6 | ポチョポチョ・ダンス(マルク)
ポチョポチョ・ダンスは上記のものとは異なり、1993年に開発されたものであるためモダン・ダンスとも言えますが、その動きには伝統的な要素も多く使われています。芸術的パフォーマンスというよりは、大衆的な伝統舞踊と考えられています。
ポチョポチョ・ダンスは軍隊で行われていた朝の集団運動を起源とし、モルッカ人の音楽家アリエ・サプレットが作曲した「ポチョポチョ」という曲に合わせて踊ります。インドネシア国営テレビ(TVRI)の「DANSA YO DANSA」(レッツダンス)で紹介され、全国的な人気を博しました。それ以来、このダンスは多くのインドネシア人が朝のエクササイズの一環として実践しています。また一部の地域では、自分たちの伝統的なダンスのステップをポチョポチョ・ダンスに取り入れようとしています。
現在、ポチョポチョ・ダンスはインドネシアの文化的な祭典や公式の全国的なイベントなどで行われています。2018年、インドネシアはポチョポチョ・ダンスで最長のラインを作るギネス世界記録を達成しました。ポチョポチョ・ダンスのやり方はこちらで紹介しています。
これらの伝統的なダンスの、優雅でリズミカルな動きは、インドネシアの調和と美しさを表しています。#StayatHome を楽しみながら、インドネシア文化の美学を堪能し、これらのダンスについてもっと学びましょう。