インドネシアで3番目に大きい島、ボルネオ島の3/4を占めるカリマンタンは広大なジャングル、珍しい野生動物、手付かずの自然、そして魅力的な伝統文化など、実に多彩な魅力を秘めた場所です。
原始の楽園、そのジャングルの奥地にはオランウータン、伝統生活様式を守り続ける神秘的なダヤック村、そして数え切れないほどの荘厳な川流が。 内陸だけでなく、カリマンタンの素晴らしさはダイビング、シュノーケリング、水中写真を楽しむ人々にぴったりな、無数の海洋生物達が集まる海に面しています。ボルネオ島トレッキング、野生生物との出会い、ダヤクの伝統的な生活の体験など、カリマンタンは素晴らしい体験の宝庫です。 あなたのお気に入りもきっと見つかりますよ。
1 | オランウータンと熱帯雨林の支配者たち
カリマンタンのジャングルに生息する最も有名な生き物といえばオランウータン。 最も賢い霊長類の1種とみなされるオランウータンは、様々な道具を使いこなすなど、その学習能力について広く研究されています。 スマトラに生息するオランウータンとは異なり、ボルネオのオランウータンは比較的大きく、丸い顔をしています。 またオスは老化するにつれ広い両頬の面積が大きくなるという特徴があります。
オランウータンの他にもテング猿、ナマケグマ、オナガザル、アロワナ、サイチョウ、ネズミジカ、イノシシなど、カリマンタンのジャングルは数多くの驚くべき野生動物の棲息地です。
動物たちは島に点在する国立公園や自然保護区に生息しています。 例えば中央カリマンタンには、Camp Leakey and Tanjung Putting National Park、セバンガウ国立公園、ラマンダウ川野生動物保護区、Nyaru Menteng Orangutan Centerがあります。西カリマンタンにはパルン山国立公園、センタラム湖国立公園、ベトゥン クリフン国立公園があり、東カリマンタンのクタイ国立公園と北カリマンタンのカヤン メンタラン国立公園でも彼らの生態を目にすることができます。
2 | ダヤク族の伝統的な生活様式
ボルネオ島の熱帯雨林に暮らす先住民ダヤク族は文化だけでなく言語の面でも独自の発展を遂げてきました。多くのダヤク族は近代化してキリスト教とイスラム教に変わってきましたが、 祖先の信念は未だ根強く残っています。 首狩り族として恐れられる一方、ダヤク族の女性は非常に美しく、誘惑された男性は二度とそこを離れられなくなるなど、古くから様々な神話や言い伝えが残っている民族です。
そうした逸話はさておき、ダヤクはカラフルな衣装に身を包み、長い歴史を持つ伝統や生活様式、特に音楽や踊りといった文化を重んじるとても魅力的な民族です。 さらに東カリマンタンのパンパン文化公園、カパスアス川沿いのロングハウス、南カリマンタンのロクサドなどの伝統的な村でダヤク族の暮らしを体験することもできます。
3 | シンカワンと元宵節
ダヤク文化はカリマンタンを代表するものですが、西カリマンタンの小都市シンカワンも見逃せません。 インドネシアの他の町とは異なり、シンカワンは数百の中国式寺院が何百と構える、非常に東洋風の町並みとなっています。
普段は静かなシンカワンですが、春節から数えて15日目の満月の日にあたる元宵節には盛大なお祭りが催されます。 元宵節にはジャワ島やスマトラ島、シンガポール、マレーシアなど周辺地域から多数の中国人が家族や友人とのイベントを祝いに集結し、シャーマンやタトゥンと呼ばれる超能力者によるパフォーマンスも披露されます。 タトゥンは、巨大な爪や鋭い金属品を身体を突き刺し、胸や胃で剣を曲げることさえできます。
4 | デラワン諸島の華麗な海
陸上の魅力を中心に紹介してきたので、海はあまりオススメできないと思いましたか? そんなことはありません!カリマンタンには世界でも最高峰と言われるダイビングスポットが存在するのです。
東カリマンタンのベラウ沖合に位置するデラワン諸島は世界で3番目に素晴らしいダイビングスポットとして人気を誇っています。 緑色から濃い青色に変化してゆく静かな海にいるのは巨大なウミガメ、イルカ、マンタ、ジュゴン、バラクーダ、そして無数のクラゲたち。 運が良ければクジラと一緒に泳げるかもしれません。究極の楽園と言っても過言ではありません。
31の島々で構成されるデラワン諸島ですが、とりわけ魅力的なのがカカバン島の環礁で、何千もの珍しい毒針を持たないクラゲたちをみることができます。 バラクーダ、アカエイ、大王イカ、ダラワンのみに生息するマンタ(PariHantu)など魅力的な海洋生物に満ちたサンガラキ島周辺の海をダイブするダイバーも非常に多いです。 またマラトア島周辺にもヤリイカ、ロブスター、カミソリウオ、ヒョウモンダコ、ウミウシ、ピグミーシーホース、ハナヒゲウツボ、スコーピオンフィッシュ、その他海の住人たちが数多く生息しています。
5 | クロス・ボルネオ・トレッキング
究極の全人未踏の地を追い求める人々にとってカリマンタンは魅力の宝庫でしょう。世界一の、おそらく最も見逃されているであろうトレッキングルートがあるのです。 東および西カリマンタンはインドネシアで最も長い川、マハカム川とカプアス川(世界最長の島に流れる河川)の原水を供給するミューラー山脈によって分けられています。 そのためマハカム川を上り、ミュラー山脈をハイキングし、カパスアス川を下っていくと、世界で3番目に大きい島を横断するクロスボルネオ・トレックになるのです。 この3つが作り出すジャングルはまさに芸術品。 野生動物から伝統文化まで、カリマンタンのあらゆる魅力がボルネオには集約されているのです。