インドネシアでは新しい高速道路の開通により、現在ではアクセス可能な距離のロードトリップの行き先がいくつもあります。トランス・ジャワ横断高速道路は、北ルート(PANTURA:北海岸線)と南ルート(PANSELA:南海岸線)の2つの主要ルートで構成されています。前回の記事では北ルートを取り上げたので、今度は南ルートに沿って、さらに多くのロードトリップ・スポットを見つけましょう。
南海岸線(南ルート)
ジャワ島の南ルートを車で旅することを選んだ人々は、バンテン州のセランから東ジャワ州のバニュワンギまで伸びる都市を通り過ぎることになります。この中から興味深い休日のお出かけ先を選ぶことができます。
セラン県
この県には、アニェール・ビーチ、チャリタ・ビーチ、サンボロ・ビーチなど、ロードトリップの最初の立ち寄り場所にぴったりの心躍るビーチがたくさんあります。またチバジャ山でのネイチャーツアーも楽しめます。
1| アニェール・ビーチ
バンテン州セラン県のアニェール・ビーチは、ジャカルタからわずか120 km、車で2時間の距離にあるため、多くのジャカルタ人にとって人気のあるバカンス先のひとつです。
海岸沿いには魅力的なリゾートやホテルがたくさんあります。このビーチではダイビング、ジェットスキー、スピードボート、パラセーリングなどのウォータースポーツを楽しむことができ、家族で休日を過ごす方に人気です。
2| チャリタ・ビーチ
首都から車で約3時間の場所にあるもうひとつの人気のリゾート、チャリタ・ビーチです。 バンテン州西側のパンデグラン県、ラブアン地区にあります。
穏やかな風に揺れるココナッツの木が魅力的なビーチを囲み、ジャワ島とスマトラ島の間にあるスンダ海峡の地平線上にそびえるクラカタウ山の遺跡を見ることもできます。
3| サンボロ・ビーチ
サンボロ・ビーチもバンテン州にあり、アニェール・ビーチと同じルート上にあります。日の出と日の入りを楽しむのに最適なビーチで、アクティビティも豊富に揃っています。
4| チバジャ山のネイチャーツアー
チバジャ山の頂上からは山あいの地域の自然、美しいアニェール・ビーチ、下に広がる水田など、息をのむような景色を楽しむことができます。バックパッカーの方々は、風光明媚な自然を隅々まで楽しむために、そこでキャンプをすることもできます。
パンデグラン県
セランから移動し、バンテン州パンデグラン県へのロードトリップを続けましょう。行き先の選択肢は、タンジュン・ルスン・ビーチ、ウジュン・クロン保護区、チハラ・ホワイト・ビーチです。
1| タンジュン・ルスン
ジャカルタから車でわずか3時間のタンジュン・ルスンには魅惑的なビーチ、サンゴ礁など、人々を虜にする景色があります。1,500ヘクタールの土地に建つタンジュン・ルスンは、現在、国際的な観光地となることを目指し開発が進められています。
現在、この観光施設で開発が進行中であることに加え、タンジュン・ルスンは国立公園ウジュン・クロンを訪問する観光客のための入り口でもあります。
2| ウジュン・クロン国立公園
ウジュン・クロンは西端または西の地点と訳されます。インドネシアで最初に指定された国立公園であり、ジャワ島に残る最大の低地熱帯雨林を含むことから1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。そして2005年にはASEAN遺産公園に指定されました。
この公園は多様な動植物が生息するクラカタウ諸島自然保護区を取り囲んでおり、1883年のクラカタウ噴火以降の地質学的プロセスの進化を示しています。絶滅の危機に瀕している植物や動物を、ここではまだ見つけることができます。このスポットは間違いなくロードトリップにふさわしい行き先となるでしょう。
3| チハラ・ホワイトビーチ
バンテン南部のチハラ地区にあるチパラフ村カンポン・スカフジャンにあるこのビーチは、観光客が簡単にアクセスできます。ビーチには特徴的な入り江もあって観光客が泳ぐことができ、人気のある場所の1つです。
ルバック県
パンデグランからルバック県へロードトリップを続けましょう。行き先の候補は、タンジュン・ラヤール・ビーチ、グハ・グデ・ビーチなどです。
1| タンジュン・ラヤール・ビーチ
このビーチはジャワ島の最西端のルバック県バヤ地区サワルナ村に位置しています。2つの大きなサンゴ礁が形成され象徴的なランドマークとなっており、また地元の人々にはこれがサンクリアン(地元の民話)のボートの帆であると信じられています。民話ではダヤン・スンビに結婚を断られ、激怒したサンクリアンはボートを蹴り、そのボートがタンクバン・プラフ山になり、帆がこのビーチに散らばって大きなサンゴ礁になったと言われています。
2| グハ・グデ・ビーチ
チログラン村の南に位置し、約1.5 kmの海岸線には白い砂浜と大きなサンゴ礁があります。「グハ・グデ(大きな洞窟)」は、釣りが好きな人に人気のスポットです。
クロンプロゴ県
バンテン州から中部ジャワのクロンプロゴ州へ、ロードトリップを続けましょう。いくつかの素晴らしい行き先があります:クンバン・ソカ滝、ムダル・リバー・パーク、カリビル国立公園など。
1| クンバン・ソカの滝
地元の人々がこの場所をクンバン・ソカ(ソカが花咲く)と呼んだのは、この花が地域全体で優美に生育しているためです。クロンプロゴ県のギリムルヨ郡のジャティムルヨ村で見つけることができる、息をのむような眺めの場所です。
2| ムダル・リバー・パーク
クロンプロゴ県はジョグジャカルタ市から車で約1時間のところにあるムダル・リバー・ガーデンの本拠地でもあります。この公園には教育的観光のための見事な蘭園だけでなく、滝や温泉もあり、訪問者が楽しませてくれます。バックパッカーの方々ために、自然の至福を感じる夜を楽しむことのできるキャンプ場もあります。
3| カリビル国立公園
カリビルは魅力的な緑の森の美しさでバックパッカーに人気の国立公園です。クロンプロゴ県コカプ郡カリビル村のワテスから10 kmの場所にあります。
地元の人々がこの国立公園を管理しており、バックパッカー達は、素晴らしいインスタ映えの風景が沢山ありアウトドアアドベンチャーに最適なこの公園を愛しています。
バントゥール&スレマン県
まだ中部ジャワです。バントゥール&スレマン県へロードトリップを続けましょう。ここにはパラントゥリティス・ビーチ、カリアデム、マングナンなどのスポットがあります。
1| パラントゥリティス・ビーチ
このビーチは有名な観光地で、ジョグジャカルタから約28 kmの場所にあります。このビーチの神秘的な雰囲気は訪問者を魅了しています。地元の伝説によると、このビーチは南海の女王、カンジェン・ラトゥ・キドゥルの領海です。
このビーチでは緑または黄緑色の服を着てはいけないと地元の人々に信じられています。神秘的で神聖な雰囲気だけでなく、パラントゥリティスは本当に美しいビーチです。
2| マングナン
マングナンは魅力的なグリーンツーリズム、文化的、歴史的名所がたくさんある村で、観光客を魅了します。
人気のある観光スポットの1つはマングナン・フルーツ・ガーデンです。このガーデンでは、いたるところで果物を見ることができます。 スターフルーツ、ランブータン、ドリアンなど。ジョグジャカルタ特別州バントゥール県のドリンゴ地区の一部の人々は、この場所を「雲の上の土地」とも呼んでいます。
3| カリアデム
カリアデムはジョグジャカルタで最も人気のある観光スポットの1つです。ムラピ山の斜面に位置し、海抜1100mに位置する、25ヘクタールの松林がある高原地帯です。
ジョグジャカルタの北約30km、スレマン県のカンクリンガン地区にあります。ムラピ山の噴火によって打撃を受けましたが、人々は今でもこの地域を訪れ、大災害の痕跡を見つけたり、涼しい気温を楽しんだり、火山博物館を訪れたり、ジープを使ってオフロードアドベンチャーを楽しんだりしています。
グヌン・キドゥル県
バントゥール&スレマンからロードトリップを続け、グヌン・キドゥル県に向かいましょう。ジョンブラン洞窟やカリスチなどがあります。
1| ジョンブラン洞窟
ジョグジャカルタから車で約90分のグヌン・キドゥル県のパチャレジョ村に魅力的なジョンブラン洞窟があります。洞窟に行くには直径25mの大きな穴に入りロープを使って下降し、少なくとも60m下まで降りる必要があります。
この洞窟が訪問者を引き付けるのは洞窟内部の驚くべき景色です。大きな穴が太陽の光を取り込んで洞窟を荘厳な雰囲気で照らし出し、写真映えする空間を作り出します。この天の光のフレームチャンスをお見逃しなく。
2| カリスチ川
「ケーブ・チュービング」という言葉を聞いたことがありますか?ここカリスチ川ではこの楽しいアクティビティを体験できます。これは川沿いの浮きチューブに乗り、相互につながった洞窟を通って、鍾乳石と石筍でいっぱいの洞窟の中の美しい景色を楽しむ冒険です。雨季でも透き通った透明な水の無限の流れを生み出すので、カリスチは聖なる川とも言われます。ジョグジャカルタ州グヌン・キドゥル県のセマヌ郡にあるパチャレジョ村にありますので、ぜひ時間を作って乗ってみてください。
マラン県
グヌン・キドゥルからマラン県(東ジャワ)への旅を続けましょう。ここには魅力的なビーチが数多くあります。トゥルッ・アスモロ・ビーチ、バニュ・メネン・ビーチ、バントル・ビーチ、ティガ・ワルナ・ビーチ、チュルングッ・ビーチ、ガトラなどです。
1| トゥルッ・アスモロ・ビーチ
トゥルッ・アスモロ・ビーチの美しさは有名なラジャ・アンパット・ビーチ(西パプア)の美しさと同等であると言う人もいます。マラン市から車で約2時間、南マラン県のタンバクレジョ村にあります。海岸線に沿って広がる見事な白い砂浜、ビーチを取り巻く小さな島々、揺れる木々、そしてもちろん透き通った海、夕日と日の出の時にはさらに素晴らしい光景が広がります。
2| バニュ・メネン・ビーチ
マラン県のバントゥール郡スンブルベニン村に位置しています。「バニュ・メネン」という用語は「穏やかな水」を意味するジャワ語に由来するため、旅行者は水遊びをのんびりと楽しむことができます。
涼しい風とビーチ沿いの木々は、旅行者が日光浴をしながら景色を楽しみリラックスするのに役立つでしょう。
3| バントル・ビーチ
マラン県のドノムルヨ郡にあるスンブルチェレン-バンジャレジョの村に向かうと、バントル・ビーチがあります。このビーチでは花、ヒョウ、トラの3種類のユニークなロブスターに会うこともできます。かなり興味深いアトラクションですね。近くにはあなたが探検するのを待っている緑豊かな森もあります。
4| スリー・カラード・ビーチ(ティガ・ワルナ・ビーチ)
このビーチで最も魅力的なのは水が3色に見えるため「ティガ・ワルナ」つまり「3つの色」のビーチという名前です。これらの色の違いは様々な水深の違いがある事によって引き起こされ、水が赤、緑、青の色調に見えるようになっています。このビーチはマラン県のセンダンビルに位置し、保護されているマングローブとサンゴ礁の一部でもあります。
5| チュルングッ・ビーチ
ティガ・ワルナ・ビーチからさほど遠くない場所にチュルングッ・ビーチがあります。 このビーチはマングローブ保護区として開発されました。
この隠された宝石について知っている人は多くありません。まだ純粋で文明の影響を受けていないように見えるビーチの天国のひとかけらです。
6| ガトラ・ビーチ
次はガトラ・ビーチです。ここにはビーチでキャンプをするためのレンタルテントがあります。ここの3つのビーチでは旅行者がビーチにゴミを持ち込んだり、ゴミをポイ捨てすることのないように、荷物を報告する必要があります。
これら3つのビーチでは環境への配慮が強く求められています。ビーチを清潔で自然のままに保つために、ご協力をお願いします。
バニュワンギ県
ジャワ横断高速道路、南ルートの遠征の最終目的地に近づくと、そこはバニュワンギ県です。この県は最高の波が来る場所であるため、世界中のサーファーに人気です。レッド・アイランド・ビーチ(パンタイ・プラウ・メラ(赤い島のビーチ))、プレンクン・ビーチ、ワトゥドドル、スカマデ・ビーチ、グリーン・ベイ・ビーチ(パンタイ・テルック・ヒジャウ(緑色の湾のビーチ))などは、東ジャワにある最高のサーファー天国です。
1| プラウ・メラ・ビーチ(赤い島のビーチ)
レッド・アイランド・ビーチ、つまりプラウ・メラ・ビーチは、もともとはリンギン・ピトゥという名前で知られていました。土と砂の赤みがかった色のため、地元の人々はそれをプラウ・メラと名付けたと言われています。また別の説では、あるとき丘陵にある小さなプラウ・メラ島からビーチに向かって明るい赤の光が輝いたことでプラウ・メラ・ビーチと名付けられたと言われています。
バニュワンギの南のエリアのプサングラハン地区のスンブラグン村に位置し、市内中心部からは車で約2.5時間です。このビーチは2013年に世界20か国以上のサーファーが参加したインターナショナル・サーフィン・チャンピオンシップの開催地でした。
2| プレンクン・ビーチ
もう1つのサーファーの楽園はアラス・プルウォ国立公園内にあるプレンクン・ビーチです。このビーチは世界で最高のサーフィン・ビーチの1つとして知られています。プレンクン・ビーチは別名「Gランド」としても知られています。「G」はサーファーが巨大な波を楽しむことのできる湾の名前、グラジャガンの略です。
このビーチは「セブン・ジャイアント・ウェーブ・ワンダー」としても有名で、波は最大7回転、高さ6mを超える可能性があります。その地形は初心者や素人のサーファーにとって非常に難易度が高く危険なので、プロのサーファーだけがここでサーフィンすることをお勧めします。サーフィンに興味がない人も、海岸沿いのビーチでのアクティビティを楽しんだり、素晴らしい景色を見ることができるので、ご心配なく。
3| ワトゥドドル・ビーチ
カリプロ地区に位置しており、ワトゥドドルという名前の意味は、ジャワ語の「ワトゥ」はインドネシア語の「石」、「ドドル」は地元の甘い菓子のことで、黒い色をしています。ビーチの近くの道の真ん中に「ドドル」というお菓子に似た巨大な黒い岩があることから、ワトゥドドルと呼ばれています。このビーチは地元の祖先に遡る伝統の神聖な儀式によく使用されています。一日中浜辺で過ごし楽しむだけでなく、旅行者はボートを借りて海岸線近くの海を探索することもできます。
4| スカマデ・ビーチ
スカマデ・ビーチはバニュワンギの南西約97 kmに位置し、メル・ベティリ国立公園の総面積580 km2の中に広がる8.45 km2の沿岸帯の一部です。
ウミガメがここで産卵するため、この地域は重要な保護区と見なされています。卵の安全を確保するために亀のための特別な孵化場も建設されました。公園管理者は公園とビーチを守っています。ウミガメの小さな赤ちゃんが大きな青い海に最初の一歩を踏み出すのを目の当たりにすることもできます。
5| グリーン・ベイ・ビーチ
さらにメル・ベティリ国立公園(バニュワンギ)にあるのは、テルック・ヒジャウまたはグリーン・ベイ(緑色の湾)で、訪れる価値のあるもう一つの行き先です。
魅惑的なターコイズブルーの水と美しい緑豊かな森に囲まれた、白い砂浜の浜辺で贅沢な時間を過ごせます。自然のシャワーをもたらす小さな滝と爽やかで涼しい小川もあります。ここではサルも見つけることができますが、餌を与えないように注意してください。環境保全のために地域の清潔さに注意を払い、ごみのポイ捨てを避けてください。入り口に貼りだされたビーチの看板があります:「足跡以外は何も残さないでください。写真以外は何も取らないでください。自然の魅力を守るために環境を清潔に保ちましょう!」
さあ、これであなたが忘れられないロードトリップをするための、魅力のある行き先の選択肢を北と南の両方のルートから紹介しました。レストエリアの情報とトランス・ジャワ高速道路の楽しい旅に沿って味わえる特別な料理のチェックリストで、ロードトリップの計画を完成させましょう。