バルラン国立公園
ジャワ島に点在する青々とした景色とは対照に、ジャワの東端に位置するバルラン国立公園は野生動物が生息するオープンサバンナで構成されています。 "バンテング"と呼ばれるジャワの大水牛はに"カラン"として知られているネズミジカ、カラフルな翼を羽ばたかせる鷹、そしてしっぽでカニを釣ることで有名なオナガザルなど様々な動物を観察できます。
公園の面積は250平方キロメートルで、低地の森林、マングローブ林、肥沃なサバンナが40%を占めています。またイーストジャワ州のシトボンド地区に属し、放牧場としても機能しています。 ジャワタマリンドやピーカンナッツの木など、多くのジャワを代表する木々が自生しています。
オランダのA.H.Loredeboer氏によって発見されたこの地は1937年にオランダの植民地当局によって野生動物保護区に指定され、1980年にはインドネシアが国立公園に指定しました。 この公園の中心には乾燥した東風にさらされるバルラン死火山がどっしりと構えています。またバルランは平均で年間3ヶ月間しか雨が降りません。 東ジャワ州の雨期は11月から4月の間で、中でも12月と1月がピークとなり、乾季は4月から10月まで続きます。
乾季は土砂や水が乏しくなりますが、雨季に入り雨が降ると沖積地帯に染み込んだ雨水が池や湖をつくります。特にTalpatとBama Beachを結ぶ南部に沿って多くの池が現れます。バンテンの野生牛は森の中が好きなのかあまり姿をみせませんが、お腹を空かせた鹿や野鳥が集まり、その様子を観察するのもおすすめです。
バルラン国立公園には444種の樹木があり、その中にはミモ・ブコール(Ziziphus rotundifolia)、ミンバ(Azadirachta indica)、ピラング(Acacia leucophloea)など乾燥状態に非常に強い固有種も自生しています。 他にはキャンドルツリーやケミリ、アブラヤシ、アビセニア、タマリンドス、ガドン、ケンダル、コルディア・オブ・リグリア、 マンティン(Syzygium polyanthum)、そしてケプッ(Sterculia foetida)も生息していますよ。
この公園に生息する動物として代表的なのがバンテン(Bos javanicus)、野生水牛(Bubalus bubalis)、アジャグ(Cuon alpinus javanicus)、ムンカクジカ(Munciacus muntjak)、ルサ(Cervus timorensis)、ヒョウ (Panthera pardus)、ネズミジカ(Tragulus javanicus)、スナドリネコ(Prionailurus viverrinus)です。 バンテンはこの地の固有種で、マスコットにも起用されています。
さらにバルラン国立公園は155種の鳥類が生息しており、その中には珍しいツバメ(Hirundo rustica)、セキショクヤケイ(Gallus gallus)、マメノナホヤチフ ミノナト ネマメホツノフフ(Anthracoceros convecus)、サイチョウ(Buceros rhinoceros)、Asian Tuwur (Eudynamys scolopacea)、孔雀(Papo muticus)、そして青サギ(Leptoptilos javanicus)も生息しています。もちろんここでご紹介しきれなかった鳥類も数多く生息しており、バードウォッチャーにとって楽園のような場所です。
アクセス
東ジャワ州の首都スラバヤからバルラン国立公園に到着するには、陸上移動だとは約6時間かかります。 バルランはシトゥボント地区とバニュワンギ地区をまたぐように位置しており、22,500ヘクタールを誇る敷地面積の大部分は沿岸の森林と草原で構成されています。 またバルラン山、メラピ山(ジョグジャカルタ近郊のメラピ山とは別の山です)イジェン火山に囲まれた地理も特徴です。
スラバヤからまずは北東沿岸道路を通ってPasuruan、Probolinggo、Situbondoを通ります。 Banyuputihを過ぎたら南へ。 ビリク村に到着するまでは東へ向かわないでください。 Wongsorejo村の手前で左折するとVisitor Centerという標識が見えますので、そこがバルラン公園の入り口です。
またSitobondoからBangandenganまで車で行くことも可能です。距離は約60kmで、スラバヤとバリ島行きのフェリーが頻繁に行き交うバニュワンギの街を結ぶ高速道路の途中に位置しています。 そのためバリ島からのアクセスも比較的容易です。
ガルーダ航空とウィングス・エアーの便がバリ島のデンパサールとスラバヤからバニュワンギへ毎日運行しているので、それを使う手段もあります。バニュワンギからバタンガンまで約35km、バタンガンからベコールまでは約12kmの距離で、約45分で到着します。
バルラン国立公園からベロークまでは車での移動となります。道路はそれぞれ2車線で、道路はアスファルトですが、SUV車を使用することを強くおすすめします。 Bekol-Bamaの入口からサバンナまでは約15kmあり、入り口周辺は観光客や学生の街として賑わっています。