インドネシアは世界で最も多くの、多種多様な植物や野生生物たちの生息地となっています。そのためスマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島、パプア島などに多くの国立公園が存在し、絶滅の危機に瀕している野生生物の保護に極めて重要な役割を果たしています。
自然科学者によるとトラ、オランウータン、サイ、ゾウがひとつの生息地に共存しているのは世界でもスマトラ島だけだそうです。またスラウェシ島のジャングルには、この島でしか見られない魅力的な動物たちが生息しています。カリマンタン島はオランウータンの生息地としてよく知られています。パプア島には世界で最も美しい鳥たちが生息しており、チェンドラワシ(極楽鳥)が有名です。
インドネシアの素晴らしい国立公園の多くは、これらのユニークな動物を生息地で観察できるように開放されています。その中からいくつかの国立公園をご紹介します。
1|タンジュン・プティン国立公園(中央カリマンタン)
ジャングルへようこそ!カリマンタン島で人気のある観光地のひとつ、タンジュン・プティンです。まるでジャングル・ブックの冒険が現実のものとなったような場所です。ボートで深い熱帯雨林に入り、野生のオランウータンやその他のエキゾチックな動物達に出会い、探検家になったような気分を味わえる場所です。中央カリマンタン州に位置するこの地域は1935年に動物保護区に指定され、1982年に国立公園になりました。観光客や自然愛好家がこの公園に足を踏み入れる主な目的はオランウータンです。この公園はキャンプ・リーキー研究所を拠点とするオランウータン研究・保護プログラムによる綿密で精力的な活動によって有名になりました。キャンプ・リーキーはオランウータンの保護区であり、科学の歴史上あらゆる野生動物の中で最も長い継続的な研究が行われている場所です。
この公園にはスモーフのようなテングザルなどをはじめとする7種類の霊長類、ウンピョウ、ジャコウネコ、野生のバンテンなど、不思議な生き物たちが生息しており、大地を自由に歩き回っています。また、色とりどりの鳥や蝶、蛾など、空を飛ぶ最も華やかな生き物たちもここの自慢です。
詳細については、下記の公園の事務所にお問い合わせください。
Kantor Balai TNTP(タンジュン・プティン国立公園事務所)
Jln. H.M. Rafi'i KM 2
Pangkalan Bun, Kalimantan Tengah
電話/Fax : +62 532 23832
e-mail: balai_tntp@yahoo.com
2|タンココ自然保護区(北スラウェシ)
北スラウェシ州にあるタンココ自然保護区は、ユニークな希少動物や植物の楽園です。この保護区の中で最も有名な場所はバトゥプティ公園です。ここでは愛らしい目をしたメガネザルが自然の中でじっとしている姿を見ることができます。メガネザルは世界最小のサルとして知られていますが、実はサルではありません。霊長類の一種で、成人男性の手のひらほどの大きさしかありません。
また、スラウェシ島の固有種であるクロザル、セレベスツカツクリ、クスクス、サイチョウ、シロハラウミワシなども生息しており、これらの動物たちは雄大なイチジクの木に守られています。
お問い合わせ、エントリー先はこちら
Dinas Kehutanan Provinsi Sulawesi Utara(北スラウェシ森林局)
Jl. Pomurow, Banjer
Manado, North Sulawesi
電話: +62 431 862387 / +62 431 859429
3 | ワイ・カンバス国立公園
スマトラ島の最南端のランプンに位置し、クラカタウ火山の真向かいにあるワイ・カンバス国立公園は、ワイ・カンバス川沿いの1,300平方キロメートル以上の土地を網羅しています。この公園は主にスマトラゾウの保護区として知られていますが、スマトラトラやスマトラサイが生息している希少種や絶滅危惧種の楽園でもあります。
1995年にワイ・カンバスに設立されたスマトラサイ保護区は、アジア種の唯一の2つの角を持つサイの繁殖センターです。ここではたくさんのサイが生まれています。1985年にはゾウの保護とゾウと人間との共存を目的としたエレファント・トレーニングセンターが設立されました。トレーニングセンターでは、象がサッカーをしたり、ダンスをしたり、泳いだり、様々な象のパフォーマンスを楽しむことができます。
上記の野生動物以外にも、公園にはバク、コヨーテ、テナガザルなどの魅力的な哺乳類、406種類の森林性鳥類、さまざまな種類の爬虫類、両生類、魚類、昆虫などが生息しています。
詳細については、下記の公園のマネージャーへお問い合わせください。
Balai Konservasi Sumber Daya Alam II Tanjung Karang
(タンジュンカラン天然資源保護局II)
Jl. Raya Haji Mena No. 1/6
Tanjung Karang, Bandar Lampung
または地元の林業局へお問い合わせください。
Departemen Kehutanan Lampung (ランプン林業局)
Jl. Raya Way Jepara, Labuan Ratu Lama, Lampung
電話: +62 725 44220
4|ウジュン・クロン国立公園(バンテン州)
ジャワ島の南西端に位置しクラカタウ火山のジャワ側の向かいにあるウジュン・クロン国立公園は、インドネシアで最初の国立公園です。1991年にユネスコの世界遺産にも登録されているこの公園は、インドネシアで最も有名な国立公園であるにもかかわらず、ほとんど訪れる人がいません。これは、この国立公園に人の手がほとんど入っていないため動植物の生態系が非常によく保たれていることを意味しています。しかしウマン島をはじめとする国立公園に面した島々は、エコツーリズムの人気スポットとなっています。
ウジュン・クロンは絶滅の危機に瀕している哺乳類のひとつであるジャワサイの最後の生息地として知られています。WWF(世界自然保護基金)の公式サイトによると、ジャワサイは世界で60頭ほどしか残っていません。ジャワサイは夜行性で人間の前に姿を現すことはほとんどなく非常に珍しい哺乳類です。地元では、ジャワサイを聖なる古代生物に近いものと考えている人もいます。
ジャワサイ以外にも、公園にはワウワウテナガザル、ドール/野生の犬(Cuon alpinus javanicus)、バンテン牛、ニシワウワウテナガザル、ジャワ・ルトン、テングザル、ジャワヒョウ、ジャワマメジカ/カンチル、ルサジカなど、多くの素晴らしい生き物が生息しています。また72種以上の爬虫類や両生類、240種以上の鳥類がウジュン・クロンに生息しています。
詳細については、以下の公園の公式オフィスにお問い合わせください。
Balai Taman Nasional Ujung Kulon (ウジュンクロン国立公園事務所)
Jl. Perintis Kemerdekaan No. 51
Kecamatan Labuan, Pandeglang
Banten 42264
電話: +62 253 801731 / +62 253 804651
e-mail: info@ujungkulon.com
Website: www.ujungkulon.org
5|アラス・プルウォ国立公園
アラス・プルウォ国立公園はインドネシアの希少種や絶滅危惧種の生息地というだけでなく、通常の自然保護区をはるかに超えています。東ジャワのバニュワンギにあるこの公園は、陸地が初めて海から出現した場所であると地元では信じられています。アラス・プルウォという名前は、文字通り「古代の森、原初の森」を意味しています。ジャワの新年であるスロの月には精神的な悟りを求める多くの人々や神秘主義者がここを訪れます。
自然を最高の状態で楽しみたいという方は、アラス・プルウォには素晴らしいビーチ、野生動物、サバンナ、マングローブ、低地モンスーンの森があります。この公園は、最も自然な熱帯雨林があり、インドネシアで最も古い森の1つであると考えられています。毎年、何千羽もの渡り鳥が手付かずの森を訪れ、亀が人里離れたビーチに卵を産みにやってきます。
詳細については、下記の公園の公式オフィスにお問い合わせください。
Balai Taman Nasional Alas Purwo(アラスプルウォ国立公園事務所)
Jl. Brawijaya No. 20
Banyuwangi, Jawa Timur
電話: +62 333 428675
e-mail: btnap@tnalaspurwo.org
Website: www.tnalaspurwo.org
ちょっと待ってください!
自然の中に飛び込む前には、以下のヒントをぜひ参考にしてみてください。
- ふさわしい服装:速乾性の軽くて通気性のある服を着用してください。単調な色が望ましいです。 白と赤は避けてください。暑いかもしれませんが長袖とパンツを着用して傷や虫刺されを防ぎましょう。虫除けを使用しズボンを靴下に押し込むことで、虫、ヒル、ダニに刺されるのを最小限に抑えます。
- 良い双眼鏡を持参してください。これがないと、どんなに素晴らしい鳥でも遠くから見るとただの汚れのようにしか見えません。
- ゆっくりと、静かに、少人数(5人以下)で行動することで、動物たちがあなたの存在を気にすることが少なくなります。
- 実のなる木(特にイチジク)や水たまりや小川の近くに行きましょう。これらの場所は、野生動物(特に鳥)がやってくるのを待つことができる可能性の高い場所です。
- 虫の鳴き声、鳥の鳴き声、下草のざわめきなど、音をよく聞いてください。これらの音が何かが起ころうとしていることを示す最初の兆候になることがよくあります。
- 早めの時間に行きましょう。ほとんどの鳥類や多くの哺乳類は午前中に活動し、昼過ぎには動きが鈍くなります。午後のピーク時は午前中ほどの勢いはありませんが、ストリームや水源を訪れるには良い時間です。
- サルを見るときは、サルの方から近づいてきてくれるようにしましょう。身をかがめて目を見ないようにするとサルの警戒心が薄れます。サルを追いかけたり餌を与えたりしてはいけません。どんなに無邪気に見えても、野生のサルは噛みついたり危険な病気を持っていたりします。
- 経験の浅い探検家の場合は特に、ガイドを必ず雇って森の中を案内してもらいましょう。あなたが専門家や研究者であっても地元のガイドを雇うべきです。なぜなら、彼らは地域とそこに住む人々について知識を持っているからです。
- 喘息用の吸入器やアレルギー用の薬など、必要な薬を準備しておきましょう。
- 森を大切にしましょう。森の住人をからかったり植物を傷付けたりしないでください。ごみは捨てないでください。ごみを持ち帰るための空の袋を持参しましょう。
- 一日中、森の中にいるかもしれないので、軽食や水を持って行きましょう。
- 携帯電話や電子機器など、森の住人を驚かせるような音が出るものは電源を切っておきましょう。
- 地元の人たちが決めたルールを守って、森を散策してください。