2021年4月、インドネシアは西ヌサ・トゥンガラ州ロンボク県マンダリカ地区で新しい国際サーキットの建設を終えました。この巨大なサーキットではアジア・タレント・カップやスーパーバイク世界選手権などの世界的なイベントが開催されており、まもなく、最も期待されているMotoGP 2022の会場のひとつになる予定です。
スポーツ観戦が好きな方や競技を観に行きたいと思っている方は、プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットのことを知ればきっと楽しいでしょう。それではマンダリカ国際サーキットについて5つの興味深い事実をご紹介いたします。
1. インドネシアの5大重要観光地の一つ
プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットは、その名の通りロンボク島(西ヌサトゥンガラ州)のリゾート地マンダリカ地区にあり、北スマトラのトバ湖、北スラウェシのリクパン、中央ジャワのボロブドゥール、東ヌサトゥンガラ州のラブアンバジョに並ぶ5大重要観光地の一つとされています。
またマンダリカでは観光地として爽快な光景を目にすることができるのは間違いありません。白い砂浜と緑豊かな丘を背景にした南海岸の景色を想像してみてください。頭に浮かぶ完璧な画像はマンダリカを訪れたときに得られるものとまったく同じです。かつてはサーファーの秘密の場所でしたが、その後活気に満ちたバーやナイトクラブ、家族向けのウォーター・パーク、高級ホテルやリゾートのある観光エリアに発展していったのも当然のことでしょう。
プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットを訪れる予定なら、マンダリカの観光エリアが提供するレジャースポットに立ち寄って楽しむのが良いでしょう。
2. 地場の材料を使用したピット・ビルディング
マンダリカ・グランプリ・アソシエーション(MGPA)の戦略コミュニケーションディレクターのHappy Harinto氏の声明によると、プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットのピット・ビルディング施設の建設は、PT Wijaya Karya Building (PT WIKA) のモジュール建設方式で、地元で生産された材料で作られています。
この国際的なサーキットのピット・ビルディングは21日間で建設され、モジュール方式による国際レベルのピット・ビルディングの最速建設記録としてインドネシア・レコード博物館(MURI)に認められました。
350m四方のピットビルには50台のガレージがあり、1階はチームや技術者が使用するガレージとして機能する3階建てのモジュラーシステムで構成されています。各ガレージは幅5.24m、長さ18.34mで、建築面積は13,700平方メートルです。2階は表彰エリア、VVIP用トリビューン、メディアセンター、3階にはその他多くのサポート施設があります。
3. ストリート・サーキットのコンセプトの実現
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、このサーキットはプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットという名前の通り、ストリート・サーキットのコンセプトを取り入れています。これはどういう意味でしょうか?
「ストリート・サーキット」という用語はより大きなレース機能を指したもので、レースがない場合、サーキットが観光スポットとしても機能できることを意味しています。人々はメインエリア周辺でランニングやジョギングをしたり、あるいは絶景を楽しむなど、リフレッシュのために利用することができます。ただし、メイントラックは引き続き一般人の立ち入りを禁止し、セキュリティ対策も万全に行われます。
つまり、カジュアルな旅行でロンボク島へ行く場合でも、レースがない時にプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットを訪れ、壮大なデザインのサーキットを見たり、散策したりすることができるのです。楽しそうですね。
4. 最新のアスファルト技術
MotoGPのような世界クラスのレース大会の要件を満たすために、インドネシア観光開発公社(PT ITDC)は、プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットの開発の一環としてロード建設の第3層の研磨にストーン・マスチック・アスファルト(SMA)を使用しています。
ストーン・マスチック・アスファルト(SMA)は、アスファルトの上面をコーティングするために使用される最先端の混合物です。この混合物は石と石が接触する原理で軌跡表層の構造を強化することができるとされています。
MGPAのDwianto Eko Winaryo建設部長によると、SMAはPG82という高い浸透等級(PG)を持っているとのことです。この混合物は2014年~2015年にリリースされたばかりのものです。そのため、世界中のすべてのサーキットがこの混合物を使用してアスファルトを積層しているわけではありません。世界でこのアスファルトを使用しているサーキットは、イギリスのシルバーストーン・サーキット、UAEのドバイ・サーキット、オーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットなどです。
5. 独自のテヌン・モチーフを盛り込む
MGPAは、国際規格のサーキットであるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットの路面に、ロンボク島のササック族に由来する伝統的な織り模様であるスバナレを採用し、地元のアクセントを加えました。この模様はサーキットの15コーナーと16コーナーのランオフエリアと、外側のアスファルトに描かれています。
この名前はムスリムの人たちには聞き覚えがあるかもしれません。スバナレはササック語で「タスビ(清めの)文」を意味するからです。ササックの人々は、この土地の女性たちがこの柄の布を織るときタスビ文を唱え続ける習慣があることから、この名前がついたと信じています。
マンダリカについてもっと知る
スバナレの伝統的な服は非常に複雑で、キンマ、藍の葉、タウムの葉、木の根、樹皮、ココナッツの繊維など、さまざまな植物から採取した糸を使って手作業で作られています。製造工程は比較的長い時間を要しますが、その結果、並外れた素晴らしい芸術作品が生まれるのです。
これらの興味深い事実に魅了されましたか?あなたもぜひマンダリカにお越しいただき、この国際的サーキットの素晴らしさをご自身の目でお確かめください。今までと同様にインドネシアへの国際渡航規制について学び、旅行中に実施される健康プロトコルを常に遵守することをお勧めします。最後になりましたが、公共の場でのマスク着用、こまめな手洗い、社会的距離の取り方など、健康的な生活習慣を心がけましょう。