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ジョグジャカルタ王宮(クラトン):訪れるべき、意味深い美しさ

ジョグジャカルタを訪れたら、クラトンの建物を実際に見ることなくして旅は終われないと感じるでしょう。 

ジョグジャカルタ市の中心に位置するジョグジャカルタ王宮(クラトン)は、今もなお力強く残るジャワ文化の象徴として知られています。 

クラトン・ジョグジャカルタの簡単な歴史 

1755年2月13日に締結されたギヤンティ条約は、ジョグジャカルタ王宮(クラトン)の誕生と深く関わっています。この条約は、オランダ東インド会社、スラカルタ王国、そしてジョグジャカルタ王国(クラトン・ジョグジャカルタ)によって署名されました。 

この条約に基づき、マタラム・イスラム王国は、パクブウォノ3世が治めるスラカルタ王国と、マンクブミまたはスリ・スルタン・ハメンクブウォノ1世が治めるジョグジャカルタ王国の2つに分割されることで合意されました。 

分割された後、クラトン・ジョグジャカルタには、オランダ東インド会社やスラカルタ王国に対するいくつかの義務が課されました。クラトン・ジョグジャカルタは、決められた価格で食料品をコンパニーに販売し、マドゥラ島や沿岸地域を引き渡し、以前に合意されたすべての条約を遵守する義務がありました。 

また、パクブウォノ3世に対しては、援軍として求められた場合にはすぐに支援できるよう備えておく必要がありました。 

その後、クラトン・ジョグジャカルタを建設する際、スリ・スルタン・ハメンクブウォノ1世自らが建物と空間の設計を行いました。王族の住まいとしてだけでなく、王宮を政治、文化、そして人々の精神性の中心地としても機能させました。 

現在でも、クラトン・ジョグジャカルタは王族の住まいとして使われており、現スルタンであるスリ・スルタン・ハメンクブウォノ10世のもと、文化の中心としての役割を果たし続けています。また、グレベグ・マウルドのような伝統儀式の場としても利用されています。 

意味が込められたクラトン・ジョグジャカルタのデザイン 

スリ・スルタン・ハメンクブウォノ1世は、クラトンのあらゆる建物と部屋の隅々までジャワの宇宙観を取り入れて設計しました。 

そのことは、クラトン・ジョグジャカルタの配置に表れており、「サンカン・パラニング・ドゥマディ」という哲学に基づいて整えられています。この哲学は、人間の命の起源とその目的を意味しています。

一方で、スルタン・ハメンクブウォノ1世は、バンサル・パゲララン、バンサル・クンチョノ、バンサ・クダトンといった主要な建物を、ムラピ山と南の海を結ぶ想像上の線に沿って配置しました。この空間構成は、宇宙のバランスを象徴するものとされています。

さらに、クラトン・ジョグジャカルタの装飾は、スリ・スルタン・ハメンクブウォノによって、黄色、金色、緑色といったジャワの人々に馴染み深い色を用いてデザインされました。それらの色は、独特なバティック模様と組み合わされ、ジョグジャカルタの人々の美意識と人生観を反映するものとなっています。

クラトン・ジョグジャカルタを訪れるべき3つの理由

クラトン・ジョグジャカルタは、単なる歴史的建造物ではありません。この場所は、インドネシアでもっとも重要な文化的アイコンのひとつとなっています。 

古きジャワの文化に触れながら散策を楽しみたい方にとって、クラトン・ジョグジャカルタはまさにぴったりの場所です。ここでは、その理由をご紹介します。 

1. クラトン・ジョグジャカルタで出会う本物のジャワ文化

クラトン・ジョグジャカルタのすべてのエリアに自由に入れるわけではありませんが、訪れた人はクラトンの敷地内を散策することができます。 

ここでは、ベスカップやブランコン、ジャリッなどの伝統的なジャワの衣装を身に着けたアブディ・ダレム(王宮の従者)の活動を間近で見ることができます。

現在でも、アブディ・ダレムはクラトンの敷地を守り、伝統儀式の準備を整え、訪れる人々に丁寧に説明や案内をしています。 

ここを訪れれば、アブディ・ダレムたちがどれほど敬意をもって、心を込めて職務を果たしているかを肌で感じることができます。アブディ・ダレムの存在は、クラトン・ジョグジャカルタにおけるジャワの伝統が今も受け継がれていることを示しています。

2. クラトン・ジョグジャカルタの博物館で歴史的コレクションを見学

ご存じない方のためにお伝えすると、クラトン・ジョグジャカルタには一般の方も見学できる博物館があります。

この博物館には、王家の宝物や金色の馬車、ガムラン、そしてインドネシアの友好国から贈られた品々など、さまざまな王宮のコレクションが保存されています。 

保存されているすべてのコレクションは、ジョグジャカルタのクラトンがジャワ文明の中心として歩んできた長い歴史の証人となっています。 

3. クラトンで芸術公演を楽しむ 

クラトン・ジョグジャカルタでは、ジャワ古典舞踊、ワヤン・クリ、そしてガムラン音楽などの芸術公演も楽しむことができます。

これらの公演は通常、宮殿内にある芸術と文化の催しの場「バンサル・スリマンガンティ」で開催されています。

公演は通常、バンサル・スリマンガンティで毎日午前10時から行われますが、状況により時間が変更されることもあります。 

クラトン・ジョグジャカルタへの行き方

クラトン・ジョグジャカルタはジョグジャカルタ市の中心部、クラトン地区のロトウィジャヤン通りに位置しており、アクセスはとても簡単です。すでにマリオボロエリアにいる場合は、さまざまな方法でクラトンへ行くことができます。 

1. 徒歩(約10分)

徒歩はクラトンへ行くのに、比較的楽しくておすすめの方法の一つです。周囲の景色を眺めながら、ジョグジャカルタの雰囲気や美しさを感じることができるからです。周囲の景色を眺めながら、ジョグジャカルタの雰囲気や周りの美しさを感じることができるからです。

行き方は、マリオボロ通りの南端から北のアルンアルンへ歩いて向かいます。そこから案内標識に従って南西方向に進むと、クラトンにたどり着きます。距離はわずか800メートルから1キロほどです。

2. トランスジョグジャに乗る

徒歩があまり楽しく感じられない方は、トランスジョグジャの1B(プランバナン・ターミナル〜マリオボロ〜ジョグジャ・シティ・モール)または2B(ジョンボル〜マリオボロ〜ギワンガン・ターミナル)路線を利用して、アフマッド・ヤニ停留所またはマリオボロ1停留所で下車することができます。

その後は、ベチャやオジェックを利用して目的地まで向かうことができます。トランスジョグジャの運賃はたったの3,500ルピアで、バックパッカーや節約旅行者にもぴったりです。

3. ベチャまたはアンドンに乗る

マリオボロや北の広場周辺からは、伝統的なベチャやアンドン(馬車)に乗ることができます。これらはアイコニックな存在であるだけでなく、本物のジョグジャらしい体験を楽しめます。

料金は直接交渉可能で、距離によっては通常20,000〜50,000ルピアからです。

ベチャやアンドンに乗るのも負けないくらい楽しく、ジョグジャカルタならではの雰囲気を、もっとゆったりとしたユニークな方法で楽しむことができます。道中では、古都の景色や伝統的な乗り物の独特な音が、温かく印象的な体験を与えてくれます。

4. オンラインタクシーまたはレンタルバイク

グラブやゴジェックなどのオンラインバイクは、市内で簡単に見つけることができます。料金も比較的安く、約12,000〜15,000ルピアです。ただし、ジョグジャカルタに訪している問時の最低運賃によって変動する場合があります。

1日レンタルのバイクを選ぶ場合、費用は1日あたり約75,000ルピアです。街をもっと自由に巡りたい方にとっては、最適な選択肢です。

クラトン・ヨグヤカルタ観光のヒント

クラトン・ヨグヤカルタを訪れる際に、より印象的な体験ができるように、訪れるのに最適な時間や事前に知っておきたいルールなど、いくつかのヒントをご紹介します。

1. 訪問におすすめの時間帯 

クラトン・ジョグジャカルタを楽しみながらじっくりと見学するのにおすすめの時間帯は、午前9時から11時までの朝の時間です。この時間帯はまだ涼しく、芸術公演が行われていることも多いです。 

2. きちんとした服装

ジョグジャカルタの人々にとって、クラトンは神聖で厳かな場所です。訪れる際は、失礼のないように、きちんとした服装を心がけましょう。 

3. 入場チケット

クラトン・ジョグジャカルタは、手頃な価格で楽しめる観光スポットです。インドネシア国内からの観光客は15,000ルピア、海外からの観光客は25,000ルピアで入場できます。

クラトン・ジョグジャカルタへの旅に出かけよう

クラトン・ジョグジャカルタは単なる観光地ではなく、インドネシア文化への理解を深める精神的かつ文化的な体験ができる場所です。 

文明の痕跡が息づくそのすべての角には、目を楽しませるだけでなく、ジャワの人々の生き方の哲学に深く触れることができます。 

さあ、荷物をまとめて、クラトン・ジョグジャカルタの魅力を探しに行きましょう。

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